原題:Good Night, and Good Luck.
2005年製作/アメリカ映画/上映時間:93分/2006年4月29日日本公開
監督:ジョージ・クルーニー
出演:デヴィッド・ストラザーン
ジョージ・クルーニー ほか
“放送の良心”としてアメリカ国民に愛された、エド・マローの生き様を描いた本格社会派ドラマです。
2006年・第78回アカデミー賞において、作品賞、監督賞、主演男優賞(デヴィッド・ストラザーン)など6部門にノミネートされております。
あらすじ
1953年のアメリカは、共産党主義者を弾圧する“赤狩り”の嵐が吹き荒れていた。大手TV局に勤めるエド・マロー(デヴィッド・ストラザーン)や同僚たちにも疑いの目は向けられ、自由な報道すらままならない状況下に置かれていたが、ジャーナリストとしてあるべき姿を追い求めるマローらは、真実を報道することを決意する・・・。
(シネマトゥデイより)
自分は映画鑑賞が大好きです。
国籍・ジャンルなど問わず、多くの作品を観ております。
どちらかと言うと古い作品が好きなのですが、もちろん新作映画も観ております。
ただ、コロナ禍からあまり劇場へは脚を運ばず、ほとんど自宅で配信・BDでの鑑賞がほとんどです。
本ブログでお気に入りの映画、また初鑑賞の作品などを紹介していけたらと思っております。
今回紹介する作品は2000年代の映画では『グラン・トリノ』、『ダークナイト』と並ぶ大好きな作品です。
1950年代初頭、ソ連との冷戦が激化するアメリカ。マッカーシー上院議員らによる共産主義者を排斥する“赤狩り”が実施される中、TVの人気ニュースキャスター、エド・マローと番組スタッフたちは、自由を守るために権力に立ち向かう姿をマッカーシーを含む当時の映像を実際に使うために、全編を白黒で撮影したジョージ・クルーニー監督作品です。
2005年・第62回ベネチア国際映画祭において、最優秀脚本賞、最優秀男優賞(デヴィッド・ストラザーン)を受賞しております。
巨大な権力を振りかざすマッカーシーに対し、”テレビジョン”という武器で圧力に屈することなく立ち向かっていったニュースキャスター、エド・マローの姿がとてもカッコいいです!
アメリカの”黒歴史”と言っていいかもしれないマッカーシー上院議員による「赤狩り」。
ほとんどのマスメディアはマッカーシーへの批判は行いませんでした。
刃向かえば、自分たちが「共産主義者」とされてしまうからです。
この映画で描かれているものは日本にとって対岸の火事では無いように思います。
日本のマスメディアも結局のところ、巨大権力に弱く簡単に屈してしまう。
某大手芸能事務所への対応などがいい例ですね。
もし、エド・マローのような勇敢なキャスターが「真実を暴こう」と言っても上層部がもみ消してしまうと思います。
マローは勝者にはなれませんでした。
ですが、けっして敗者ではありません。
この戦いは結果では無く、”戦う姿勢・意思”を示したことが一番なのではと自分は思っております。
ラストのマローのテレビジョンへの皮肉が効いております。
とにかくデヴィッド・ストラザーンの名演が光る1本です。
派手さはありませんが、力作なので、ぜひとも多くの方にご覧になっていただきたい作品です。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
「お休みなさい、幸運を(good night and good luck)」。
オリジナル予告編(日本語字幕はありません)