『落下の解剖学』

『落下の解剖学』

原題：Anatomie d'une chute

2023年製作／フランス映画／上映時間：152分／G／2024年2月23日日本公開

監督：ジュスティーヌ・トリエ

出演：サンドラ・ヒュラー

　　　スワン・アルロー

　　　ミロ・マシャド・グラネール　ほか

2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で最高賞のパルムドールを受賞したヒューマンサスペンスです。

夫が不審な転落死を遂げ、彼を殺害した容疑で法廷に立たされた妻の姿が映し出されます。

2024年・第96回アカデミー賞において、作品賞、監督賞、主演女優賞（サンドラ・ヒュラー）など計5部門にノミネートされ、脚本賞を受賞。

あらすじ

ベストセラー作家のサンドラ（ザンドラ・ヒュラー）は、夫と視覚障害のある11歳の息子（ミロ・マシャド・グラネール）と人里離れた雪山の山荘で過ごしていたが、あるとき息子の悲鳴を聞く。血を流して倒れる夫と取り乱す息子を発見したサンドラは救助を要請するが、夫は死亡。ところが唯一現場にいたことや、前日に夫とけんかをしていたことなどから、サンドラは夫殺害の容疑で法廷に立たされることとなり、証人として息子が召喚される。

（シネマトゥデイより）

第76回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したサスペンスです。

監督は『ヴィクトリア』などのジュスティーヌ・トリエ。

主人公サンドラ役は『さようなら、トニー・エルドマン』などで知られるドイツ出身のサンドラ・ヒュラー。

おそらく本年最後の映画鑑賞になると思うので、本年度批評家のベストテン候補の本作を選びました。

カンヌ最高賞のパルムドールというと以前紹介いたしました『逆転のトライアングル』があまり自分好みでは無かったので不安もありましたが、こちらは”凄い！”の一言。

もの凄い緊迫感のある、それでいてどことなく切なさを感じる最高のサスペンス映画だと思いました。

誰が言ったか知りませんが、「裁判映画にハズレ無し」というのは間違いない、本作もよく出来ていて食い入るように鑑賞しました。

その裁判で明らかになる妻の人柄や死んだ夫との不仲。

そして、彼女がバイセクシャルであり、女性と不倫関係にあったことなど・・・。

誰もが彼女が夫を殺したと思わせる作り。

そこから意外な方向へ物語は進んでいきます。

本作も前回紹介の『ミッシング』同様、真相解明、真犯人追求的な視線では鑑賞しない方がいいと思いました。

本作はもちろんサスペンス映画なのですが、強く描かれるものは家族とはという普遍的なテーマと”えん罪とは何から生まれるのか”などのテーマのように感じました。

最近、埼玉西武ライオンズの源田壮亮選手の話題もありましたが、夫婦というものは「何なんだろう？」と思わせるものが多く感じられました。

子役やワンちゃんの演技もすばらしい。（でもワンちゃんにアスピリン飲ませてはいけない）

人間が他者にどう見られているのか？

その恐怖を逆に盲目の息子の「見れない」視点から描くところに圧倒されてしまいました。

文句なしの大傑作です。

映画ファンならご覧になって損は無いと思います。

お詫び

・・・実を言いますと、本当は昨日お誕生日のティモシー・シャラメの『デューン 砂の惑星 PART2』を鑑賞しておりましたが、30分観て「これはおさらいが必要」と思い断念してしまいました。

改めて第1作を見直して挑みたいと思います。

そして、26日に記事にして、それが気に入らず登録を解除された方がいらしてすぐ記事も削除したのですが、今回の源田壮亮選手の一件で、やはり埼玉西武ライオンズを応援するのは「ムリ」と判断し、ファンをやめることにいたしました。

私の優柔不断ぶりには自分でも呆れておりますが、これ以上スキャンダルはもうウンザリですのでご了承いただければと願っております。

気分を害された方がいらしたら謝罪いたします。

申し訳ありませんでした。

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日本版予告編