『大いなる陰謀』
原題:Lions for Lambs
2007年製作/アメリカ映画/上映時間:92分/2008年4月8日日本公開
監督:ロバート・レッドフォード
出演:ロバート・レッドフォード
トム・クルーズ ほか
ロバート・レッドフォード、メリル・ストリープ、トム・クルーズとオールスターキャストが勢ぞろいし、アメリカの対テロ政策の裏を描く群像ドラマです。
レッドフォードは監督&製作、トム・クルーズは製作総指揮を兼任。
戦争や生死の意味という根源的な問題への、レッドフォードのアプローチに注目。
あらすじ
未来の大統領とも目される上院議員のアーヴィング(トム・クルーズ)は、テレビジャーナリストのロス(メリル・ストリープ)に最新の戦略についての情報をリークする。そのころ、大学教授マレー(ロバート・レッドフォード)の教え子(デレク・ルーク、マイケル・ペーニャ)は、兵士としてアフガニスタンの雪山でその戦略のひとつに携わっていた。
(シネマトゥデイより)
本日、10月6日は”トムの日”だそうで、あえてあまり知られていない本作を選んでみました。
ロバート・レッドフォード監督、長編7作目の監督作品で、政治家とジャーナリストの間で繰り広げられるサスペンスフルな展開に、戦場でのドラマ、大学教授と無気力な生徒のやりとりが複雑に絡み合うストーリーになっております。
自分は劇場公開時以来の鑑賞になります。
ロバート・レッドフォード演じる大学教授の無気力な生徒役で、のちにアメイジング・スパイダーマンと化す(?)アンドリュー・ガーフィールドが出演しておりました。
劇場公開時はまったく気づかず(・・・と言いますか彼を知らなかった)、ちょっと嬉しい気分になりました。
原題の”Lions for Lambs”とは「臆病な子羊に操られるライオンは恐れるに足らない」というアレキサンダー大王の言葉から来ているそうです。
映画は全体的に会話が中心で動きが少ないので、せめて戦場でのシーンは緊迫感のある作りになっていれば良かったのですが、これが全然スリルが無かったのが悔やまれます。
主演の3人に加え、駆け出しのガーフィールドやマイケル・ペーニャなど、映画ファンにはたまらないキャスティングなのですが、まったく面白くないお話しにガッカリ。
ストリープのジャーナリストにもっとインパクトのあるシーンが用意されていたら、印象ガラリと変わった気がするのですが・・・。
せっかく、あの偉大なジャーナリズムを描いた(だから、このヘンテコ邦題『陰謀』とあるのだと思います)映画に主演したレッドフォードならと期待して、思いっきり肩すかし。
言いたいことは伝わってきたと思います。
トム・クルーズ演じる共和党の期待の若手上院議員の部屋に飾られていたルーズベルトの言葉・・・
「平和と正義を選ぶなら、私は迷わず正義をとる」。
この言葉に本作のメッセージが集約されていると思いました。
自国の掲げる正義のため、多くの犠牲が出てもそれは許容範囲。
そうやって敵味方問わず、多くの命が奪われてきました。
本作で描かれるイラク戦争をはじめ、さかのぼればベトナム戦争、ヒロシマ・ナガサキにも同じことが言えるかもしれません。
そう思って鑑賞すれば重みも感じるのですが、あまりにも映画は薄味。
ブッシュ親子を徹底的に叩くこともハリウッド的アメリカの正義・・・なのかな?
オリジナル予告編(日本語字幕はありません)